学資保険だけじゃない。賢く教育費を貯める方法

学資保険で備える

昔ながらの学資保険で積み立てる方法を紹介します。学資保険を選ぶ場合は、入院特約などの医療特約を外して返戻率が高いフコク生命やソニー生命保険を選びましょう。

現在は、どの自治体も乳幼児は医療費が掛からず、自治体によっては小学生以降も入院費用の助成があり、高額医療給付制度もあるため、余り医療特約を付加するメリットはありません。なお、医療特約を付加した場合は元本割れを起こすことがほとんどなので、実際に掛けた保険料と満期金額をシミュレーションして確認してください。

フコク生命みらいのつばさ

ステップ型とジャンプ型を選べます。要は複数回にわたって支給を受けるか、一度に支給を受けるかの違いです。具体的な支給は以下のとおり。

  • ステップ型:3歳(幼稚園入学)、6歳(小学校入学)、12歳(中学校入学)、15歳(高校入学)、18歳(大学入学)、20歳(成人)、22歳(満期時)
  • ジャンプ型:18歳(大学入学)、22歳(満期)

返戻率は、ステップ型で104.7%、ジャンプ型では105.5%です。学資保険の満期は一般的に18歳か22歳が多いのですが、「みらいのつばさ」は22歳満期。18歳満期に比べて保険会社側が資金を預かって運用する期間が長いため、より貯蓄性が高くなっています。マイナス金利の影響を受けて軒並み返戻率を下げる保険会社が多い中で高い返戻率を維持しています。

ただし、これらのタイプの保険料の払い込みは11歳となっていますので、その分、月々の負担が大きくなるというデメリットがあります。

満期保険金 100万円の場合 受取総額〈祝金累計額+満期保険金〉210万円コース 受取総額 2,100,000円 払込保険料総額 2,004,552円 戻り率 約104.7%

フコク生命HPより転載

契約者 30歳 男性
被保険者(お子さま) 0歳
保険期間 22歳満期
保険料払込期間 11歳
兄弟割引適用 なし
口座振替月払保険料 15,186円

ソニー生命

ソニー生命の特徴は、円とドル建ての2つを選ぶことができます。もう一つの特徴は10歳払込みタイプがあることです。大学進学前に払込を終えることで大学進学中に毎年、5年間に分けて受け取れるタイプも人気があります。この場合の返戻率は107.2%(年払いは108.0%)と高い水準です。18年払込みタイプの場合は年払いで104.6%とこちらも高い水準です。

もう一つのプランは、ドル建ての「学資プラン」という名の養老保険です。返戻率は128.6%という学資保険の中ではトップの返戻率です。

ドル建てを選ぶ際の注意点

ドル建で積み立てた後は、ドルから円に換えて受け取ることになります。そのとき円安になっていれば利益になりますが、円高になっていれば損失です。為替リスクと引き換えに上記の高い返戻率があると考えれば良いです。加えて、ドルから円に戻す際は手数料が必要ですので、最終的にいくら手にできるかは大学進学時のときの為替次第です。1年先のアメリカの経済が分からない中で17年以上先のことですから、その時点が円安なのか円高なのか誰にも分からないというリスクはあります。

筆者の体験

数年前に高利率に惹かれて米ドル建ての定期預金をしたことがあります。満期を迎えて引き出そうとしたところ、そのころが預金時より円高になっていましたので、引き出したくても引き出せませんでした。円安になるまでドルのまま持たなければ損することは確実でした。しかし、大きな買い物の費用に充てるため、必要に迫られ泣く泣く円に戻しました。満期時の為替がアメリカの政治や経済状況、日本の経済状況に強い影響を受けるということがどういうことか身に染みて分かりました。それ以来、必要な時に引き出せない商品(ドル建て)、高い手数料がかかる商品は利用しないことにしました。

返戻率が18年で107%というのは他の学資保険の中では高い水準です。ただし、年利に換算すると1%を割るので、銀行の定期預金に比べたら高い利率であることは間違いありませんが、そこまで良い商品でお勧めですとまでは言いえないのが本音です。

銀行も超低金利、学資保険は少しマシなレベル、投資信託は大きく増やせる分リスクが伴いますし、18歳時に元本割れの可能性もあります。個人国債という方法もありますが、高い利率は期待できず、またシステム上、複利効果が望めないため、長期間の運用には向いてないと考えます。