幅を広げるチャンスと考える
会社組織の上に行けば行くほど、年上の部下を多く抱えることになります。若くして役員昇進になれば、役員下の幹部職員はほとんどと言ってよいほど年上でしょう。
その数は数人から、数十人、数百人と会社の規模によって増えていきます。
したがって、身近な年上部下の接し方や指導を経験することで、将来の自分に役立つことは間違いありません。
結局は、自分の組織人としての経験値を上げ、幅を広げるチャンスを得たということです。
上司という役
管理職に昇進したからといって、人間的に偉くなったと勘違いすると、尊大な態度を取ってしまったり、部下の意見や反論にムッとしてしまいがちです。
飽くまで「上司という役」を担っているだけで、例えるなら、マンション管理組合の理事会や地域の子ども会の役員のような立ち位置と同じようなものです。
理事会や役員は他の住民や保護者と対等で、役というものを担当しているだけですから、年上部下にも役という立場で接すれば、肩の力を入れる必要はなくなりませんか?
注意点
人生の先輩として敬意を払うことが何より大切です。
タメ口や命令口調は反感を招きかねませんので、部下には(性別年齢関係なく)一律敬語・丁寧語で話すことを心掛けるという方法も効果的です。
また、様々な経験を積み、自己の判断で行動する年上部下の場合のコーチングとしては、定期的に対話の機会を持つことが重要です。
日頃の仕事の判断は任せた上で、進捗状況について定期的に報告するように約束してもらう。
また、上司側から声掛けを行い、状況を見て軌道修正を図るという方法が部下のモチベーション維持にも役立ちます。
ただ、部下も完ぺきではありませんから、指導すべきときもあるでしょう。
その際は、他の部下社員がいない別室等で言うべきところは言い、最後に「〇〇さんらしくないですよ」「宜しくお願いします。」と一言添えて頭を下げるだけでもプライドを傷つけづらく、提案を受け入れやすいです。
また、年上部下の能力と経験を活かすことが、上司の役目でもあるため、年上の部下に「何かよいアイデアはないでしょうか?」と相談を持ち掛けるのも良い方法です。