ジュニアNISAで教育費を貯める方法~メリットとデメリットを理解する

「ジュニアNISA」を知っていますか?2016年に制度が始まり、子ども名義での投資・資産形成が可能になりました。投資と聞くと、元本割れの可能性があるため怖いと感じる人も多いでしょう。でも、月5千円~1万円なら、少し節約すれば絞り出せる金額です。筆者がお勧めするのは、家計からではなく、児童手当やお年玉、お祝いなどの臨時収入を原資にすることです。そうすることで家計を痛めることなく投資を始めて大きく増やすことができます。

税制面からも配当金・譲渡益が非課税、相続税対策にも有効などのメリットがある一方で、金融機関の変更が制限される、引き出しが制限されるなどのデメリットもありますので、ジュニアNISAの制度を理解した上で最大限活用してお子さんの教育費を積み立てましょう。

→ 関連記事「学資保険は時代遅れ、賢く教育費を貯める方法があります。」を読む

ポイント

モーニングスター 株式会社のHPが非常に分かりやすかったので転載させていただきました。

  • 日本国内に居住する0歳~19歳までの未成年者が対象
  • 口座開設は2016年~2023年までの8年間
  • 年間80万円までの投資が可能、最大5年間の運用益・譲渡税等が非課税
  • 非課税期間5年経過後は、新たな非課税枠に移行
  • 2024年以降は継続管理勘定に移行して20歳まで非課税で保有が可能
  • 資金の拠出は、親・祖父母か可能

図:ジュニアNISAのイメージ

野村證券のHPが分かりやすかったので転載させていただきました。

メリット

ジュニアNISAの利用による「生前贈与」(相続税対策)

贈与はお孫さんを資金面で援助するだけでなく、将来、相続財産を軽減する効果があります。暦年贈与の場合、受贈者(財産の贈与を受ける人)は1人あたり年間110万円までの贈与については、贈与税が非課税となるため、ジュニアNISAの投資枠の上限である80万円は贈与税の基礎控除枠の一部として活用することが可能です。

一方で、高齢者から若年層への資産移転と教育資金づくりなどを目的とした長期投資の促進という見方もできます。資産が比較的潤沢な祖父母から大学進学などでお金がかかる孫世代への贈与を後押しすることで、贈与されたお金が株式などで運用されれば企業に成長資金が供給できますし、投資家の資産も増えるとの期待もあります。

祖父母が運用可能

親権者が指定した、口座開設者から見て二親等以内の方が運用・管理することができます。ただし、口座の開設及び払出しは親権者による手続きが必要です。

複利効果を活かして元本を増やすことが可能

ジュニアNISAの最大のメリットは、投資による運用を行うことで元本を飛躍的に増やすことができますので、不足がちな積立型学資保険の祝い金を補填する役割を担う有効な将来への備えなのです。

上場株式や株式投資信託、ETF、REITといった商品が選べ、長期間の投資が可能になるため、再投資を繰り返すことで複利効果を最大限活かして元本を大きく増やすことが可能です。

株主優待も

ジュニアNISA口座を使って非課税投資を行っても、株主優待を受けることができます。お子さんの教育費を貯めながら、株主優待も受けられるためお得感があります。

デメリット

引き出し制限がある

原則18歳(高校3年生の12月末まで)引き出すことができません。払出制限期間内に払い出すとジュニアNISA口座における過去の取引を含む全ての利益に対して課税されます。なお、一部のみの払い出しは行なえず、全てを払出す必要があり口座も廃止されます。解約する場合は遡って課税されます。

金融機関の変更ができない

1人につき1つの口座のみの開設となっているため、ほかの金融機関で開設する場合は既存口座を廃止する必要があります。また、その際に非課税で受領したすべての配当金・売買益に課税がされてしまいます。

損益通算ができない

ジュニアNISA口座では、売買損失はないものとされます。したがって、売買損失が発生しても、特定口座や一般口座で保有する他の株式等の配当金や売買益等との損益通算はできません。また、損失の繰越控除(3年間)もできません。

非課税枠の再利用ができない

ジュニアNISA口座で一度利用した非課税枠を再利用することはできません。ただし、翌年1月以降であれば、新たな非課税枠により、80万円まで上場株式や株式投資信託等の買付けができます。

選べる商品

金融機関によって取扱商品は異なります。証券会社では、上場株式や株式投資信託、ETF、REITといった幅広い商品が選べます。

教育費の積立てとして、児童手当やお年玉・お祝いをジュニアNISAで運用する方法を紹介しました。→ 関連記事「学資保険は時代遅れ、賢く教育費を貯める方法があります。」を読む

 

お子さんが未就学・小学生時なら運用期間が10年以上という長期間のため、時間を武器に積極的に運用することも可能です。もちろん上場株式で運用することも反対ではありませんが、教育費を貯めることが目的ですから、守りながら増やすことを考えれば、投資の専門家(ファンドマネージャー)に運用を任せる投資信託がお勧めです。10年以上の運用期間がある場合は、積極的に株式投資信託を組み込み元本を増やしていくことにチャレンジしてほしいと思います。筆者なら以下の商品を選びます。

  • ニッセイ日経225インデックスファンド
  • ニッセイ外国株式インデックスファンド 
  • 三井住友TAM日経225 インデックスe
  • ひふみプラス
  • SBI中小型割安成長株ファンド ジェイリバイブ 等

ポートフォリオについては別の機会に考えたいと思います。