裁判所書記官とは?裁判所書記官になるには?試験内容・難易度・年収・転勤など解説




 

イチケイのカラスで登場する裁判所書記官ってどんな職業なんだろう?ドラマでは新田真剣佑が裁判所書記官の石倉文太役を演じるけど、実際若い人っているのかな?難しい試験に合格しなきゃいけないのかな?年収ってどれくらいなんだろう?誰か教えて!

 

こういった疑問にお答えします。

モーニング掲載の「イチケイのカラス」が2021年4月からフジテレビの月9ドラマとしてスタートします。

ニュースやドラマで黒い法服を着た裁判官はよく目にするのでイメージも湧きやすいと思いますが、イチケイのカラスでは「石倉文太」(新田 真剣佑)が裁判所書記官として登場するのですが、裁判所書記官という職業を初めて知る方も多いのではないでしょうか?

本記事では裁判所書記官について、深堀りして解説しますので、学生の方は就活に、ドラマや漫画をご覧の方はより楽しむための豆知識としてお役立てください。

  • 裁判所書記官とは?
  • 仕事内容は?
  • 裁判所書記官になるには?
  • 試験内容や難易度は?
  • 若い裁判所書記官はいるの?
  • 年収ってどれくらい?
  • 転勤や異動はある?

 



裁判所書記官とは?

裁判所書記官の身分は国家公務員です。

法律の専門家であり、法廷立会,調書の作成,証明書の発付,執行文の付与のほか,支払督促の発付等を行います。

紛争を抱えて裁判所に来庁した人に対して手続の流れや申立ての方法を懇切に説明したり,適切な紛争解決に結びつける手続案内等も行っています。

民事、刑事、家事、少年といった裁判手続のあらゆる場面において,高度な法的知識に基づき様々な事務を担当し,適正迅速な裁判の実現を果たさなければならない仕事です。

 

裁判所書記官の仕事内容

裁判所書記官は次の裁判所に配置され、手続法の専門職として裁判事務に行います。

  • 最高裁判所(大法廷・小法廷)
  • 高等裁判所事件部(民事・刑事)
  • 地方裁判所事件部(民事・刑事)
  • 家庭裁判所事件部(家事・少年)
  • 簡易裁判所事件部・係(民事・刑事)

 

次に仕事内容は以下のようなものがあります。

  • 窓口案内・受付
  • 裁判の審理計画・スケジュール管理
  • 裁判立会(調書作成)
  • 訴訟関係人との連絡調整、手続説明
  • 事件記録の保存
  • 執行分付与
  • 支払督促   

裁判所書記官の固有権限の仕事もありますが、民事裁判や刑事裁判では裁判官の訴訟指揮に従って、協働して裁判運営を行っています。

裁判員裁判など著名事件の裁判に立ち会うこともあります。

裁判所書記官とは

 

裁判所書記官であっても、後で述べますが、事務局部門(総務課・人事課・会計課など)の係長、課長補佐、課長として裁判所書記官の資格を持ちながら裁判所事務官として一般事務に就くこともあります。

 

裁判所書記官になるには?学歴は必要?

裁判所書記官になるためには、まず裁判所事務官の採用試験に合格する必要があります

裁判所事務官として経験を積み、年に一度の裁判所職員総合研修所入所試験に合格しなければなりません。

法学部卒は1年間(一部生)、それ以外は1年6カ月間(二部生)の研修を終えると、裁判所書記官の辞令を受けて全国の裁判所に配置されます。

裁判所書記官になるためには、必ず法学部卒である必要はありません。法学部以外の学部卒、専門学校、高校卒業など学歴は問われず、裁判所事務官であれば誰でも裁判所書記官の道が開かれています。

分かりやすいチャートがありましたので参考に掲載します。

裁判所書記官になるには
マナビジョン

 

試験内容や難易度

筆記試験科目は、すべて論文です。

法学部卒

(一部生)

一部生以外

(二部生)

憲法・民法・刑法・訴訟法(民事・刑事選択) 憲法・民法・刑法
口述試験 口述試験

1年間に入所できる研修生の定員がありますので、法学部卒(一部生)は150名程度、一部生以外の二部生は50名程度と狭き門のようです。

裁判所事務官の採用試験を突破した人の中には旧帝大をはじめ難関国立・私立大学出身者が多く占めているようですから、裁判所書記官になるための試験の難易度も当然ながら易しいものではないと思います。

法学部卒の場合でも競争率が高いために合格までに数年かかる場合も珍しくありません。

二部生の場合は、高卒であっても学部卒であっても試験内容は同じですが、定員が50名程度と少ないため、高卒や専門学校卒の裁判所事務官は相当の努力をしなければならないのは明らかですね。

 

若い裁判所書記官はいる?

裁判傍聴は自由ですので、お近くの裁判所に訪れるとお分かりになると思いますが、20代の女性書記官や男性書記官も活躍されています。

法廷に立ち会っている裁判所書記官は30代前後~40代半ばの方が多い印象です。

裁判所書記官としてスタートを切る年齢が研修所を卒業して以降になるため、20代の裁判所書記官はそれだけ早く試験に合格した優秀な方だと思います。

ニュース番組で法廷の様子が流れたときは、裁判官席の下に座っている黒い服を着た人が裁判所書記官ですから、若い男性・女性か注目してみるのも面白いですね。

 

裁判所書記官の転勤・異動・出世

転勤・異動

裁判所書記官の身分は国家公務員ですから他の国家公務員と同様に異動があります。

同じ部署や同じ裁判所に定年まで勤めるということは無く、二、三年おきに部署を変わる異動や勤務する裁判所が変わる転勤が行われています。

ただ、他の国家公務員とは異なり、全国津々浦々を転勤するような異動は少ないようです。

法曹(裁判官、検察官)は全国転勤ですが、裁判所書記官の場合は一定のエリア内での異動が多い印象です。

 

出世

裁判所職員採用試験の受験パンフレットには、以下の表のように裁判部門と事務局部門を行き来しながら出世するコースが紹介されています。

裁判部   事務局
首席書記官 事務局長
次席書記官 事務局次長
訟廷管理官 事務局課長
主任書記官 事務局課長補佐
裁判所書記官 事務局係長

 

裁判所書記官の年収

裁判所書記官は国家公務員という身分なので、人事院規則の俸給表に従った給与です。

また、東京都や大阪府などの都市圏では地域手当が付きますので、東京都で勤務する場合と、沖縄県で勤務する場合とでは収入に差が出ます。

年代 年収(目安)
30歳(裁判所書記官) 500万円前後
35歳(係長) 600万円前後
40歳(主任書記官・課長補佐) 850万円前後
50歳(訟廷管理官・課長) 1000万円前後

※人事院が発表する「国家公務員の諸手当の概要」を基にすると、勤務地や扶養手当・単身赴任手当等の各種手当で前後50万円は差があると推測します。

 

裁判所書記官の手当・キャリア

裁判所書記官の専門性から裁判所事務官とは異なる手当(調整額というもの)があります。

仮に同期採用で25歳で裁判所書記官になった人と、裁判所事務官のままの人とでは、その時点で、裁判所書記官になった職員の方が年収で換算すると50万円以上収入が多くなります

また、裁判部に裁判所職員採用パンフレットを見ても、裁判所書記官になる方が様々な経験を積むことができ、キャリアアップの点ではメリットがあるように思いました。

 

採用映像

YouTubeに最高裁判所が作成した動画がありましたのでご覧ください。

まとめ

いかがでしたか。

裁判所書記官になるには長い道のりが必要です。それだけ専門性が高い仕事で、責任や権限もある職務ということですね。

法律の専門職というインテリジェンスな仕事で国家公務員で待遇も良く、ドラマの影響もあって、益々人気が出る職業になるかもしれません。