公務員こそiDeCo(イデコ)デビューすべき。

堅実な公務員の方ほどiDeCoを始めないと損をします。iDeCoはご存知でしょうか?iDeCoとは個人型確定拠出年金という年金制度のことで60歳までの間に毎月一定の金額(掛け金)を出して、その掛け金で投資信託や定期預金、保険などの金融商品を選んで運用し、60歳以降に運用した資産を受け取るという個人年金です。

元本保証の商品を選ばずに積極的に値動きのある投資信託を選ぶことができ、自分自身の投資判断・運用次第で、将来受け取る資産を大きく増やすことができるのです。

簡単に言うと「年金は自助努力により殖やしてください。その代わりに税金は優遇しますよ。」という国が推し進める制度でもあります。

公務員の年金制度改革

民間より年金が恵まれた公務員ですが、平成27年の10月から共済年金が厚生年金に統合されました。これにより公務員ならではの遺族年金などの特権が部分的になくなりました。そして「職域加算部分」退職手当も支給水準が引き下げられます。

厚生年金に一本化されたことで、その退職手当本体の受け取り部分だけで地方公務員平均で15%引き下げられるため、老後の生活のために自助努力を考えなくてはならない時代になりました。

2017年1月から個人型確定拠出年金「iDeCo」に公務員が入れるようになったのですからiDeCoに入らない手はありません。今回の改正で公務員440万人を含む約2600万人が新たに加入できるようになりました。

iDeCoの最大の特徴は3つの税制優遇メリットが受けられることです。

3つの税制優遇メリット

  • 掛け金が全額、所得控除される
    毎月1万2千円ずつ掛け金を拠出した場合には年間2万8800円の節税効果が生まれる(住民税と合わせて税率20%と仮定)。
  •  金融商品の運用益には20.315%の源泉分離課税がかかるが、iDeCoの運用益は非課税になり、受給時にも所得控除が受けられる。
  • iDeCoの老齢給付金を一時金として受け取る場合は「退職所得控除」が、年金として受け取る場合は「公的年金等控除」が受けられる。

全額所得控除の節税効果が大きいことが魅力の一 つです。上限1万2千円を毎月拠出すると、年額14万4千円、所得税が10%(課税所得金額195万~330万円以下)と仮定した場合には住民税(10%)と合わせて2万8800円還付されます。

次に通常、投資信託で得た利益に対して約20.315%の税金がかかりますが、確定拠出年金で運用した投資信託に関しては非課税です。

さらに年金として受け取るときには、雑所得(公的年金等)となり公的年金等控除が適用されますし、一時金として受け取るときにも退職所得控除が適用され所得税がグンと安くなるのです。

ただし、退職金額が多い方については、受け取り時期を考えておかないと思わぬ高い税金を負担することにもなりかねません。その場合には、退職金の受け取り年と確定拠出年金の受け取り年をずらすことで節税対策になります。退職所得は、一般的な所得税と同様に累進課税という特徴があるため、受け取る年が変わるだけで税率を小さくすることができ、合算した所得税は同額でも所得税の額は小さくなります。

デメリット

以上のようにメリットの大きいiDeCoですが,デメリットもあります。

  • 手続に時間が掛かる。
  • 60歳まで資産が引き出せない。

書類申請してから引落しが始まるまで一、二ヶ月掛かることもあります。手続きの面倒さが始める前の敷居の高さになっている感は否めません。

iDeCoの最大のデメリットは、60歳になるまで積み立てた資産を引き出せないことです。途中で解約することも原則認められていません。

まとめ

公務員のiDeCoは税制面での特典が多く、加入するとしないのでは税金面でも将来の資産形成においても大きな差が生まれる制度です。
どうしてもリスクを取りたくない場合は、掛金を定期預金に回すことで元本割れは回避できます。その場合、マイナス金利の現状では利殖は望めず、手数料や維持費分の回収は難しいです。ただ、それでも全額所得控除の効果がありますのでiDeCoを始める価値はあります。
メリット・デメリットを踏まえて個人に合わせた利用を検討すると良いでしょう。