不動産売却・専属専任媒介契約のリスク(2)

不動産売却・専属専任媒介契約のリスク(2)

分譲マンションや戸建てを売却する際には、必ず不動産仲介業者と媒介契約を締結して、営業活動を行ってもらう必要がありますが、媒介契約の一つ専属専任媒介契約には、売出価格の不正操作リスクがあります。親身になって営業活動をしてくれる営業マンがいる一方で態度を急変する不誠実な営業マンが当たったときは対応策が必要です。

売出価格の不正操作

これは、両手仲介の場合(仲介業者が購入希望者を見つけてくる場合)、売買契約が成立すると仲介業者は、仲介手数料を依頼者からも購入希望者からも双方向から受領することができます。そうすると、仮に購入希望者の予算が依頼者の売出価格に届かない場合は、早々に契約して他の業者から客を取られないように、売出価格を下げるように依頼者に働きかける勧告をしてくることが多いです。これが不正操作です。

仲介業者にとっては、多少値段を下げても契約させた方が営業活動にかかる経費を抑えられ、仲介手数料を双方から得ることができるので時間的・労力的・経費的にメリットが多いのです。

営業担当は役者

不動産業者、特に仲介業者の営業担当は物腰が柔らかく、礼儀正しい営業マンが数多くいます。

一方で依頼者に見せる顔と裏の顔を上手に使い分けている役者であることも頭に入れておくとよいでしょう。

たとえば「依頼者様の大切な資産を少しで高く売却できるように最大限努力します」と媒介契約のときには深々と頭を下げますが、営業担当の値下げ勧告を依頼者が渋った場合には

  • 「この一カ月申し込みが少ないことをみると、当初の売出価格が高すぎたのです。」
  • 「(実際はいませんが)今回の購入希望の方には今週末に別の内覧希望者がおり、その方が購入意思を決めた場合はお断りすると伝えています。ただし、今回の購入希望者の方を逃すと、今のところ申し込みがありませんので強気で値下げをしないと突き放すのはやめたほうがいいですよ。」
  • 「ここでお客さんを逃したら次に購入希望者が現れる保証はありませんよ。3か月を過ぎて成約なければ、売出価格を数百万円は下げないといけません。」

などと他の仲介業者に購入希望者がいても他社から取られないように「商談中」と掲げて囲い込みをしているケースもあります。そして、依頼者に話している内容と購入希望者に話している内容は必ずしも一致していませんし、話しているといいながら伝えていないことも多々あります。

つまり、どうにか依頼者を説得して値下げを行わせるために、あの手この手を使って購入希望者が言ってもいないことをあたかも購入希望者の意思や希望などと称して不安定な精神状態である依頼者のメンタルを利用して揺さぶりを掛けているのです。

対応策

仲介業者は、決して依頼者だけの味方ではないということを理解することです。

いつまでも売れなけれ仲介業者はう非常に多くの営業活動費のみを負担しなければなりません。いわばお荷物状態です。仲介業者としては成功報酬でしか精算できないため、高額の手数料が手に入るのであれば、高く売れるに越したことはありませんが、それよりも早く売れた方がコストパフォーマンスが高いのです。

もっと言うと、多少安くても両手仲介で仲介業者が購入希望者を見つけて売買契約を成約した方が仲介業者にとってはメリットが大きいのです。

そう考えると、あの手この手で値下げを勧告するの頷けますよね。

  1. 肝心な対応策は、簡単に自ら売出価格の下限(値下げ下限額)を仲介業者の営業担当に伝えないことです。値下げ交渉の材料に使われてしまうリスクが高く、下限の金額までは購入希望者の予算と調整してよいというメッセージを与えてしまうことになります。
  2. もう一つは、購入希望者を依頼した仲介業者が見つけてきた場合のベターな対応策は、営業担当から値下げの連絡があっても交渉のチャンネルを閉ざすことです。一方的に「この価格で交渉してくれ。それより下げるつもりはない。」とだけ伝えて電話を切る(メールで一方的に伝えて、後は返信しない)こと。交渉のチャンネルを閉ざすことで、仲介業者は購入希望者を説得するしかなくなります。リスクはありますが、本当に購入希望者が言っていることなのか依頼者は確認ができないため、足元を見られないように弱気な態度には注意が必要です。

まとめ

大切な資産処分を任せたはずの仲介業者ですが、やはり会社の利益という至上命題がありますので、コストを掛けずに利益を上げるという姿勢は徹底しています。その中で顧客満足度を上げスピーディーに不動産売却を行うということが営業には求められているのです。

したがって、これらの仲介業者の特質を理解した上で、「信頼はするが信用はしない」「仲介業者をうまく利用して高く売る」くらいの気持ちで一定の距離感を保って付き合うことが大切です。

※これは飽くまで個人の見解であり、仲介業者の営業マン全員に当てはまるものではございません。

 

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